キャッチコピーを作るときに、語呂やリズムを良くするだけの、ただの言葉遊びになってしまってはもったいない!
ただ表面的に耳馴染みのいい言葉を並べて終わりのキャッチコピーではなく、何を考えてどのように作ればキャッチコピーとして役割を果たせるのかについてお話しします。
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ブランディングに欠かせないビジュアルと言葉
自分をブランドとして表現する、自分のビジネスをブランディングするときに、ブランディングの手段は色々あります。
「〇〇と言えば〇〇」という、良い印象をつけていく活動をブランディングといいます。
ブランディングの要素になり得るものとしては、ロゴマークや写真などのビジュアル面や、キャッチコピーやストーリーという言葉の面があったりして、それ以外にも、例えば、音楽とか香りとかもあります。
ただ、やはり一番メインとなるのはビジュアル、そして言葉の二つですね。
言葉は使えると思って認識が甘くなりがち
ビジュアル面は、自分のメイク、ファッション、canvaで作れる簡単なバナーなどは、自分でできる範囲でやったりもするけれど、苦手意識があったり手間がかかり過ぎたりするので、プロに任せるという人も多いと思います。
それに対して言葉の方は、基本的には普段から「使える」という意識があるんですよね。
音声配信をしたり、普通にクライアントさんと会話したり、ブログ書いたり、SNSで発信したり、日常的に言葉を使っているからです。
なので、自分の気持ちを言葉にするのが得意じゃないという人はいたとしても、言葉が全く使えないんです、本当に分からないんです、全然できないんです!って言うほどじゃないと思うんですよ。
そのせいか、言葉を扱うものを外注する人って割と少ない気がします。
結果、危険な言葉の使い方になっていたり、それって意味あるの!?という言葉の使い方をしてしまってる人も多いんですよね。
キャッチコピーを作るときに陥りがちな言葉遊び
そのような”言葉の危うさ”が最もよく現れるものの一つがキャッチコピーです。
よくあるのが、ストレートに言いたいことを言って、そこに多少語呂が良くなるように、ちょっと綺麗な言葉を入れたり、リズムを良くしたりしてまとめちゃうパターン。
それだと、キャッチコピーになってないんだな。
キャッチコピーっていい感じに自分の商品を紹介したり、覚えやすい言葉を並べたりすることなんじゃないの?
と思われるかも知れないんですけれども、ただただ耳馴染みがよく覚えやすい言葉で興味を引くだけではちょっと片手落ち。
何となく印象に残りやすい、それっぽい、短い良さげな言葉…それではただの言葉遊び。
本来のキャッチコピーの果たすべき役割を考えなくてはなりません。
キャッチコピーの果たすべき役割とは?
キャッチコピーを見た人に、どう感じてほしいのか、どんな行動をとってほしいのか、
そこまで先回りして、キャッチコピーを見た人が、こちらが設計した通りのゴールにたどり着いた時、初めて本来の役割を果たします。
例えばセミナーを告知する場合のキャッチコピーでは、お申し込みまで行動してくれるというのが重要です。
なんかいい感じの言葉を羅列しても、実際セミナーに誰もきてくれなかったら意味ない!
それだと、そもそものキャッチコピーの役割を忘れています。
大事なのは次の3つ。
- 誰に届けたいのかを明確にすること
- 見たときにどんな印象を持ってほしいのか
- 結果、どんなアクションを促しているのか
これらをしっかり見極めて、偶然ではなく必然的に見た人がアクションを起こすよう、狙って作るんです。
見事に役割を果たしている超有名キャッチコピー
その狙いが最高に効いている例として、「そうだ 京都、行こう。」という超有名なキャッチコピーがあります。
あのコピーは、とにかくいい感じの雰囲気を伝えて、京都にみんな来てくれるよ良いな〜というぼんやりとしたものではありません。
まずポイントとしては、あのコピーはJRのCMで使われているというところ。
距離的に京都は遠いと思われるかもしれないけれど、我々(JR)の提供している新幹線に乗れば、パッと思いついたときに気楽にふらっと行けるぐらい、京都までの移動時間を短縮できるんですよ!
という印象を与えるための、新幹線のキャッチコピーなんです。
狙いは、例えば関東からだと京都ってすごい遠いなと思ってた人も、あのキャッチコピーがあるだけで、思いついた時に行動を起こして、新幹線でふらっと気楽に行けちゃう場所なんだというイメージがつく。
そのイメージさえついてしまえば、いざ休日に何しよう?と考えた時に、今までは無かった「京都」という選択肢が入ってくる。
そこまで狙って「そうだ 京都、行こう。」なんですよね。
意味のあるキャッチコピーの作り方
ではここまでの話を踏まえ、実際に私がキャッチコピーを作る時の手順をご紹介します。
❶キャッチコピーの目的を決める
何はなくともまずはここ。
そのコピーを見た人に、どんな印象を持って欲しい?
どう行動して欲しい?そこを先回りして決めます。
❷そのために伝えないといけないことは何?
しつこいようですが、ただいい感じの印象を与えるためのコピーではありません。
目的のために、伝えたら良いであろうことをピックアップしていきます。
❸伝えるための言葉を大量に出す!出す!出す!
❷で考えたことが伝わりそうな言葉をめちゃくちゃ大量に出します。
いきなりまとまったいい感じの言葉を考えちゃう人多いですが、大喜利やってるわけじゃないんでね、一発で決める必要がありませんし、
いきなり自分が普段使ったこともない、聞いたこともないようなハッとするキャッチコピーなんて、絶対に出てきません。
まずは、細切れの単語でいいので、大量に言葉を出すことが大事なんです。
例えば、「楽しい」という言葉一つとっても、「楽しい」「わくわくする」「心躍る」「夜も眠れない」とか、数々の言い方があるわけです。
まずはそれを考えうる限り出す、全部出す。探しに探して、類語まで調べて出す。
❹出した言葉をブランドイメージに沿って取捨選択
その中で、自分のブランドやキャラクターにフィットする言葉とフィットしない言葉を取捨選択していきます。
「楽しい」の例で言うと、私はあまり「わくわくする」というのは、日頃から使わないし、何となく自分っぽくないなと感じます。
そういった全く自分らしくない言葉は、ブランドのイメージを崩してしまうので捨てましょう。
❺いい感じの言葉の並びに変えていく
自分らしくないものをどんどん削ったら、残った言葉を入れ替えたり、接続詞を抜いてみたり、2回繰り返してみたり……と、
言葉のパーツをパズルみたいに組み合わせていきます。
その時、あえて耳馴染みのない意外な組み合わせにして、人の気を引くことも。
当たり前のことを当たり前に言っても、誰も聞いてくれませんからね。
ここまでやって、最後の❺でやっと言葉の並びに入るわけです。
ただいい感じのキャッチコピーをいきなり考え始めることが、いかに準備不足かわかりますよね。
せっかく作るのであれば、役割を果たしてくれるいいキャッチコピーを考えていきましょう。