価値は提供者が決めるものじゃない?
「え?自分の商品やサービスの価値は、自分が決めるものじゃないの?」
そう思う方もいるかもしれません。
でも、実はお客様が求める価値と、自分が提供していると思っている価値がズレていることって結構多いんです。
このズレを理解しないままビジネスを進めると、「頑張っているのになぜか売れない」「ブランディングがうまくいかない」といった壁にぶつかることになります。
今日は、価値とは何か?どうやって正しく認識するのか?についてお伝えしていきます。

「価値」とは何か?私たちは何を売っているのか?
まず大前提として、私たちは「商品」ではなく「価値」を売っているんですが、そこがちょっと難しいところです。
具体的な事例を挙げてみると、例えば私はデザインを提供しているので、その場合の商品はロゴやホームページのデザインになるんですが、
じゃあお客様はデザインそのものにお金を払っているのか?というと、ちょっと違います。
「デザインして欲しい」と言われてデザインするのに、それを買ってるわけじゃない…?
早速わかりにくいですね。笑
この場合お客様が求めているのは、デザインそのものではなくて、デザインを手に入れたことで得られる成果や変化なんです。

例えば…
✔ 視認性が上がって売上が伸びる
✔ ブランドの世界観が伝わり、ファンが増える
✔ プロフェッショナルな印象になり、信頼を得られる
こういった結果が欲しいから、デザインを購入するんですよね。
つまり、お客様にとっての【価値】は「デザインが手に入ること」ではなく、「デザインによって得られる未来」なんです。
お客様にとっての【商品】=デザイン
お客様にとっての【価値】=デザインした先の未来

価値のズレに気づいたブラプロ受講生の事例
この2つのをちゃんと捉えるのが難しいので、自分が売っていると思っているものと、お客様が求めているものがズレることが多々あります。
例えば、先日ブラプロ(BE-brand project)の受講生Aさんと話していたときのこと。
その方は、個人事業主向けに事業サポートをしている方でした。
具体的には、ヒアリングをして動画編集やライティングのサポートをするお仕事。
動画や文章を納品することで、クライアントの業務がスムーズに進むようにサポートしていました。
でも、その方は少しモヤモヤしていました。
「お客様からは、ヒアリングの時間がすごく喜ばれるんです。でも、私が提供しているのは動画や文章であって、ヒアリングは無料の確認作業のつもりなんですよね…」
つまり、Aさん本人は「動画やライティング」を売っているつもりなのに、それ自体よりも、お客様が喜ぶのは「ヒアリング」で、
「私の作った動画やライティングには価値がないのだろうか…?」と悩んでしまっていたんです。

そこで「なぜあなたに仕事を依頼したのか?」をお客様に直球でヒアリングするようお願いしました。
すると、お客様の答えは以下の通り。
✔ 「Aさんと話すと、頭の中が整理される」
✔ 「モヤモヤしていたことが、スッキリする」
✔ 「誰に相談すればいいかわからなかったことをAさんになら話せる」
確かに「動画のクオリティが高い」「ライティングが上手い」といった意見は一切ありませんでした。
つまり、お客様が価値であると感じていたのは、動画や文章の納品物以上に、「話をすることで頭が整理され、前に進めること」だったんですね。

価値のズレが起こるとどうなる?
Aさん自信はこのことに悩んでいましたが、私からすると「別にそれでいいんじゃない?むしろそれがあなたの得意とする部分でしょ?」と思うんですよね。
例えば同じ動画編集者でも、スピードが売りの人もいれば、エモーショナルな仕上がりが売りの人もいて、この方の場合は、
丁寧なヒアリングにより頭が整理されて、方向性が明確になる動画が作れるという特徴があるというだけ。
それってむしろいいこと。そういう部分でブランド化は進むんです。
動画を作っているから、動画のクオリティの高さだけを価値としてしまうと、上には上がいて、辛いだけ。

もしこの方が、「私は質の高い動画を提供しています!」とアピールし続けたら、どうなるでしょうか?
たぶん、お客様が本当に求めている価値とズレているので、本来の強みを活かしきれず、適切なターゲットにも届かない状態になってしまいます。
逆に、「私はヒアリングを通して、個人事業主の頭の中を整理し、スムーズに事業を進めるサポートをしています」と伝えればどうでしょう?
本当に求めているお客様に届くようになり、「この人じゃなきゃダメだ!」という存在になれるんです。

価値は「提供する側」ではなく「お客様」が決める
この話からも分かるように、価値というのは、提供する側が一方的に決められるものではなく、お客様が決める部分もあるものなんです。
どんなに「私はこれを売ってます!」と言い張っても、お客様が「いや、そこじゃなくて…」と思っていたら意味がありません。
大切なのは、お客様の声をしっかり聞いて、自分の特徴を客観的に捉えていくこと。
「なぜ自分の商品・サービスを選んだのか?」
「実際に受け取った価値は何だったのか?」
これを知ることで、価値のズレをなくし、より強いブランドを作ることができます。

価値を見つけるためにやるべきこと
① お客様の声を集める
まずは、お客様に直接「なぜ自分の商品・サービスを選んだのか?」を聞いてみましょう。
意外な答えが返ってくるかもしれません。
例えそれが自分が狙った部分じゃなかったとしても、ぜひそのまま受け止めて活かしてください。
商品はお客様のものですから、お客様が「いい」と言うなら「いい」のです。胸を張ってそこを売りにしたらいい。
② 提供する前に「価値」を決めつけない
商品を完璧に作ってから売るのではなく、実際に提供しながら、お客様の反応を見て調整するのが大事。
価値は売る側が決めつけるものではないので、お客様の反応を見ながら軌道修正していきましょう。
③ SNSを活用する
「価値がハッキリ言語化しにくい…」という場合は、日々の発信を通して少しずつ伝えていくのがオススメ。
SNSは「価値を育てる場」でもあるので、自分の提供できる価値をじっくり伝えていくのに向いています。

まとめ:価値を正しく理解すれば売れ方が変わる!
ビジネスを軌道に乗せるために必要なのは、何を売っているのか?と言う事実以上に「その売り物の価値とは何か?」を正しく理解すること。
価値を提供するのは自分だけれど、それを決めるのはお客様です。
✔ 「私は◯◯を提供しています!」ではなく「お客様にとっての価値は何か?」を考える
✔ お客様の声を聞いて、本当に求められている価値を探る
✔ 価値のズレをなくし、適切なターゲットに届くブランド作りをする
この視点を持てば、もっと選ばれやすくなり、ブランディングもうまくいくようになります。
あなたの提供する価値は、本当にお客様が求めているものですか?
ぜひ、もう一度見直してみてくださいね!
