そもそもフリーランスとは?
フリーランスとは企業などに所属せず、
自分のスキルを必要に応じて提供することで
収益を得るスタイルの働き方です。
以前はデザイナー・ライター・カメラマン・プログラマーなどが、
企業などで実績を積んだり、師匠について実地で学ぶなどしてから
独立するパターンがほとんどでしたが、
2010年代以降からは、
WebサイトやSNSでの集客が可能になったこともあり、
カウンセラー・コーチなど、無形商材を扱う職種においても
フリーランスになることが難しく無くなった傾向があります。
起業家との違いは?
明確な線引きはありませんが、
企業や団体で発生した仕事を請け負うのがフリーランス、
仕事そのものを自ら生み出し、
サービスとして提供していくのが起業と言えます。
〇〇協会とか、どこかの団体のシステムを使って、
個人として独立するのはどっちなんだろ?
事業を興しているわけではないので、
「起業家」とは言えないかもしれないけど、
自分で仕事を始めて、
それを欲しいお客さんを自分で募るという意味では
「フリーランス」とも違うね。
その場合はどちらでもなく
「個人事業主」というのが一番しっくりくるかもね。
フリーランスをはじめる前に準備すること
今でこそ正社員神話は崩れたとはいえ、
なんの下準備もなしにフリーランスとして独立するのは危険です。
いきなり飛び出す前に、準備運動しておきましょう。
マインド編
「事業はマインド9割」なんて言葉があるくらい、
フリーランスや起業家にとってマインドは大切です。
・何がしたい?
何はなくともまずはこれ。
自分が何をしたいのか?何を仕事にすれば頑張れそうなのか?
それすらもわからないうちに独立しても、
答えは誰も教えてくれないですし、見つかる保証もありません。
特に女性は、感情がついてこないと行動も止まりやすいため、
自分の心が何に反応して、何を嫌がるのか、
そこをしっかり把握ましょう。
事業はいつでも辞められますが、できれば長く続けたいですもんね。
・どうなりたい?
自分がどのフェーズまで行きたいのかを決めましょう。
ただこれは、最初のうちは妄想でいいです。
実際にフリーランスになってみないことには
事業を大きくして、会社化して行きたいのか、
それともパートタイマーくらいのお金が稼げればそれでいいのか、
想像もつかないと思います。
けれど、妄想でもいいので目指す場所を仮決めしておくと、
そこから逆算して、今やるべきことが見えてきます。
今って独立のためのノウハウも
あちこちに転がっているけれど、
本来であれば、目的地が違えばいく方法も変わるわけで、
そのために必要な情報も人によって違うもんね。
外部から得た情報を取捨択一していくためにも、
自分はどこへ行きたいのか?妄想大事!
・仲間を見つける
フリーランスは基本的に単独行動です。
一時的にどこかの団体に所属したり、
誰かと一緒にプロジェクトに取り組むことがあっても、
会社のように同じ場所を目指して長く誰かと過ごすことは稀です。
けれど人間誰しもそこまで強くはいられないし、
どうしたって迷う時はあります。
また、会社員の時と違い、日頃関わる人数が格段に減り、
外部からの情報も入ってきづらくなります。
そんな時に力になるのは、同じ時期に独立した仲間。
異業種交流会や、起業セミナーなどでの出会いは、
意外と長く続く心強いつながりになったりするんです。
「そんなに簡単に人と仲良くなれない…」って
私もそう思ってました。
大事なのはベタベタ仲良くすることではなく、
いいなと思った人との関係を途切れさせないこと。
仲間の活躍で自分も励まされたり、
頑張る原動力になってくれることもたくさんありますよ。
現実編
理想論だけでは生き抜けないのがフリーランスの現実!
地に足つけた準備もしっかりしておきましょう。
・貯金する
最初から仕事をくれるあてがある場合は問題ないですが、
特にあてが無く独立するのであれば、貯金必須です。
手を上げればどんどん依頼がくるような仕事なら良いのですが、
大抵のお仕事は発信や営業など、種まき期間が必要です。
その間にお金が無くなりメンタル駄々下がりで撤退…!
なんてことにならないように、
最低半年間は何もしなくても
生きていける程度の貯金はしましょう。
また、フリーランスは常に自分から情報を得なくてはいけません。
お金でノウハウや情報を撮りにいくことも日常茶飯事です。
そのため、最初のうちは稼ぐどころか
出費が増えて赤字が続くと思っておいて間違い無いです。
・カードを作る
会社員の時は、特に何も考えなくても
カードなんて作れるもの…でしたよね?
むしろ、ポイントがつくらしいから、
仕方ないなぁ作ってあげるか。くらいの。
けれど、それは会社の後ろ盾があったから。
特にフリーランス一年目は、
返済能力がどれほどあるのか証明する手立てが全くありません。
会社を辞める前に作っておかないと、
カードも作れないしローンも組めない…
なんてことになりかねませんので、気をつけて!
・家を決めておく
これは私が実際にやらかした出来事です。
フリーになって1年目に、家を引っ越さねばならなくなり、
本当にたくさんの不動産会社へ行きましたが、
最終的に言われたのが
「新宿に行けば水商売の方専門の
保証がいらない不動産会社がありますから、そちらへ行ってください。」
というもの。衝撃でした。
フリーランスも2年目になれば、
前年の確定申告書類があるので動きやすくなりますが、
1年目は収入を証明できる書類が一つもないんです。
<昨年の収入=会社員の収入>なので、
そこを基準には考えてもらえないんですよね。
ちなみに私は、最終的には審査の緩い
シェアハウスへ引っ越しました…。
・発信をはじめる
フリーランスになってから、自分の足で営業に行く!
という人は、今は少数派なんじゃ無いでしょうか。
ほとんどの人が、SNSやブログでの発信も
一つの営業手段として使っていくと思います。
そうなると、発信をはじめるのはとにかく早い方がいいです。
独立してから発信を始めても、
一人の読者があなたと出会い、商品に興味を持って、
購入するまでの期間は早くても3ヶ月〜6ヶ月かかると言われています。
そもそも見つけてもらえなければもっとかかるんです。
荒削りでもなんでもいいので、何かを発信して、
読んでくれる人と交流を始めましょう。
開業届の準備をしよう
ある一定以上の所得を超えると、確定申告の際に提出が必要になります。
じゃあ確定申告までに提出すれば良いかというとそうではなく、
事業開始から1ヶ月以内に提出という決まりがありますので、
所得がいくらになるかはさておき、
独立と同時に提出するのがおすすめです!
開業届提出のために必要なもの
最低限これだけあればすぐにフリーランスとして独立できます。
- 開業届の書類
- 印鑑
- マイナンバーカード(通知カード)
- 本人確認書類
開業届の書類は、税務署に行ってもらうか、Webからダウンロードも可能です。
仕事はどうやって獲得する?
1番の問題はここですよね。
自分で事業をおこす起業家も大変ですが、
仕事を受注するフリーランスもまた、黙っていては舞い込みません。
【1】古巣の会社や取引先などのつながり
できることならば、仕事を回してもらえる話をつけた状態で独立できると、
すぐにでも仕事がある状態を作れるのでベストです。
確約は取れないにしても、過去に関わった取引先などにも、
会社を辞める際のご挨拶と同時に、今後何をするのか伝えておくと、
ご縁が切れずにつながる可能性は大いにあります。
【2】クラウドサービス
ツテがなく、準備がまだの段階だとしても、
クラウドサービスを利用すればすぐに仕事が始められます。
ただ、しっかりとしたフィーがいただけるお仕事は倍率が高く、
すぐに任せてもらえる仕事はあり得ないほど安い…
ということもしばしば。
いくらやっても労力ばかりが消費されて、
一向に食べていける状態にならないということもあり得る世界ですので、
一つのプラットフォームに頼りきらず、
他の選択肢も用意したいところです。
【3】人材紹介会社への登録
フリーランスが増えている昨今では、
フリーランス専門の人材紹介会社もどんどん増えています。
デザイナー専門・エンジニア専門や、
それぞれに得意な案件、案件の大きさにも特徴があるので、
自分に合った会社へ登録しておくのが良いでしょう。
【4】直接企業へ営業する
クラシックなスタイルと思われがちな直接営業ですが、
人手不足な企業からすると、非常にありがたがられることも多いんです。
人手不足の企業=外注先を探す時間もない、ので、
こちらから行くと喜ばれるんですよね。
まずは会社HPなどからメールで連絡し、
自分の出来ることを伝えつつ、
外注を使う予定は無いか聞いてみてください。
猫の手も借りたい企業であれば、
すぐにでも面談に来てほしいと連絡がくることもありますよ。
私が会社員の時は、
まさにこの「人手不足の企業」側でした。
たまにポートフォリオなどを
送ってくれるデザイナーさんがいると、
探す手間が省けて、とてもありがたかったですね。
【5】自分で発信して出会う
HPブログやSNSを通じて自らの価値を発信して、
必要としてくれる人と出会うのも、
今となっては抵抗なく誰もが使う手立てですね。
メリットとしては、無料で始められること。
デメリットとしては、継続的に発信し続ける必要があるので、
文章を書く・話す・動画を撮るなど、
何かしらの形で自分の仕事を言語化できる人でないと苦しい手段でもあります。
最後に:フリーランスの現実
ここまで、フリーランスをはじめるならば…
という前提でお話をしてきましたので、
最後に、実際フリーランスで働くってどうなの?という部分について、
私なりの現実をお話しできればなと思います!
労働者でも消費者でもない微妙な立ち位置…
これは私が実際にトラブルに巻き込まれた時に感じたことですが、
フリーランスを守る法律や、
サポートしてくれる機関は非常に少ないです。
雇用されていない=労働者ではない。とみなされるため、
労働基準監督署に行っても「管轄外」ですし、
消費者生活センターに行っても「管轄外」です。
全てのことが自分の自由になる分、
全ての責任も、自分で取る必要があるのは、
ある程度仕方がないことですよね。
ただ、フリーランスを守る動きなども出てきてはいますので、
下記の記事も参考にしてみてください。
甘い言葉「得意を仕事に」に踊らされないで
ここ数年「得意を仕事に」「好きを仕事に」というフレーズで、
誰でも独立できるような
錯覚を持たせる広告やサービスが本当に増えたな〜と思います。
確かに、自由に生きることはとても大切。
得意や好きを仕事にするのも、
以前に比べれば格段にやりやすいと思います。
ただそれは【仕事】の質が下がって簡単になったわけではないということは
把握しておく必要があるのかなと。
仕事になるレベルの「好き」
仕事になるレベルの「得意」であることは必須条件。
ただの趣味レベルの何かで、自由に苦労なく稼ぐ!
というのは無理がありますので、
甘い気持ちでフリーランスになることはお勧めしないのが、
現実かな〜と思います。
私はフリーランスになって
本当によかったですけどね!
楽しい仕事ではあるけれど、
ラクな仕事ではないのは確かです。
しっかり準備をしてから、
フリーランスを始めてみてください!