なぜ、私は本を書くのでしょうか?
自由大学の【自分の本を作る方法(70期)】に参加しました。
期間にして1ヶ月ちょっと、短い時間の中で6回の講義に参加しながら、本を出版するためのあれやこれやを学んでいきます。
なぜ私はこの講座を受けようと思ったのかというと…実はそれがわからないんです。
昔から「本を書きたい」という願望がありました。けれど、なぜ書きたいのか…わからないんです。
そもそも商業出版の方法もわからないし、何者でもない私が本を書きたいと言ったところで誰も相手にしてくれないだろうし、とりあえず一冊書いたら気が済むかな?と思い、2023年冬には自費出版で10万文字の本を一冊書き上げました。
書き上げてみたものの「なぜ本を書くのか?」の答えは出ず。
むしろ、自分は10万文字も書き上げられるのだという自信がつき、書いている時間が終始楽しかったこともあり、「今度は商業出版してみたいな…」という、さらなる願望が出て来たことに一番驚いていたのは多分、私。
そんなふわっとした動機で巷で見かける出版塾に行っても、出版を契機にビジネスを飛躍させようと息巻く著者予備軍の人たちに気押され、投資を無駄にしてしまいそうだし。(←偏見と思い込みアリ)
かと言って「これを書きたい!」という明確な「何か」もないから、出版社に突撃しても撃沈はやむなし…。
でも出版したい。いや、多分私はいつかする。人生において、出版する気しかしない。という謎の確信。(?)
もしかして私の前世は不遇の死を遂げた売れない作家かなんかなのでは?と思うほど、出版するのは決まってんだけど(私の中で勝手に)そのタイミングいつなのよ?と見計らっていました。
書く理由も書きたいものも無いのにね。
鎌倉発、スパイス経由で自由大学へ
話は遡り、私は以前鎌倉に住んでいたことがありまして、その頃にとある飲み屋で出会ったメタ・バラッツさんという飲み友達がいました。
バラッツさんは、私がスナックで歌う宇多田ヒカルのfirst LOVEというベタすぎる選曲をどえらい気に入ってくれたこともあり、ご実家である「アナン邸」の餅つき大会にも呼んでいただいたことも。
ちなみに、鎌倉に住んでいて「アナン邸」を知らない人はいないかもしれないくらい、アナンさん(バラッツさんのお父さん)は有名人でして、鎌倉・極楽寺にある築100年を超える古民家を買取り、昔のままの姿を活かしてスパイス屋さんを営んでおられます。
日本の古民家と、インドのスパイス。一見かけ離れた空気感のある二つのそれは、アナンさんという日本人より日本人的なインド人のおじいちゃんを通して、とても自然に融合され、何時間でも居たくなるような懐かしい雰囲気を醸し出しています。
そんなアナンさんのスパイス魂を引き継ぎ、バラッツさんは オリジナル商品の開発や、スパイスの面白さを伝えるため料理教室などで全国を飛び回っているんですが、
ある日、バラッツさんがfacebookで紹介していたのが、「自由大学」なる場で開催される、「インドに学ぶスパイス学講座」でした。
ガツガツ、ギラギラしてない著者発見。
自由大学とは、「大きく学び、自由に生きる」をテーマに、知的生命力がよみがえるユニークな講義を展開する学びの場。2009年の開校以来、およそ200種類のオリジナル講義を企画しているそうな。
サイトを見てみると、ご覧の通り。添付画像は様々ある講義のごくごく一部。
なんだか面白そうな講義がいろいろあったので、とりあえず情報が欲しくてメルマガに登録。すると、週に一度届くメルマガのコラムが毎回めちゃくちゃ面白いではないですか。
これは一体誰が書いてるの?と文末を見ると、「自由大学学長・教授 深井次郎」
さらに、担当講義 : 自分の本をつくる方法 との記載。
直感的に、「あった」と感じました。
文章にはその人の人柄がそのまま出ます。深井さんの文章を見れば、真面目で人や物事に真っ直ぐ取り組む人なのであろうことは一目瞭然。
何より良いと感じたのは、ガツガツしておらず、常に中庸の立場を保つ視点で物事を捉えているところ。
というのも、以前とある大手出版社に勤める編集者さんに「本を書きたいならもっと野心を持って、ビジネスで成功したい!みたいなハングリーさが無いと難しいですよ。」って言われちゃったことがあるんですよね。
本はハングリーな人しか書けないの?そんなわけないでしょ?と思った私は、「ガツガツやギラギラではない何か」を探していたところ、目に飛び込んできたのが、深井さんの誠実な文章だったのでした。
深井次郎さんのメルマガもサイトより登録できます。
根源的なWhy?に向き合う時間
そこから数ヶ月。講義を受講し終わって思うことは、まず、私の直感と深井さん、そして一緒に学んだ仲間に感謝したい。つまり、受けて大正解。
全部で6回開催される講義は、出版に関わる具体的なノウハウを交えつつも、最も時間を割いたのは「私は何者なのか?」「なぜ本を書くのか?」と言う根源的なWhy?に向き合うことでした。
参加者は全部で8人。脳外科医、和のお酒の専門家、麹料理の先生、自立援助ホームで思春期の子供と向き合う職員…などなど、これぞ多種多様。
職種はもちろん、今現在の環境も、ここに参加した理由も全く違う皆さんから出てくる「Why?
」への答え。
それを聞くだけでもいい刺激になるのに加え、深井さんが幾度となく語る「「何もない普通の人」など、どこにもいない。あなたにしか書けないテーマがあります」という揺るぎない前提も心地よく、終始安心して本のテーマを決めると言う難題に取り組めた気がします。
何で書くのか知らんけど、私にしか書けないことがある
講義に参加する前からずっと疑問だった「なぜ本を書きたいのか?」の答えは今でも少しぼんやりしていますが、私にしか伝えられないことがあるし、それを伝えることにはきっと意味がある。そう感じられるようになったことが大きな収穫。
そして、私にしか伝えられないこととは何なのか?その「答え(のうちの一つ)」も見つかりました。
受講前は、出版社に何を持っていけばいいのかもわからなかったし、企画書なんて書けなかったけれど、今は私なりの「答え」があるから大丈夫。
あとは、この「答え」に賛同してくれる出版社と編集者さんにアプローチすればいいだけ。
全然知らなかったけど、日本の出版社って3000社近くもあるんですって。そんだけあれば、賛同してくれるところ絶対あるっしょ。
「出版てどうやるの?私何書けばいいの?」そんな状態から「伝えるべきことはある。あとはやるだけ。」の状態まで行けるのって、すごいことですよね。
自由大学【自分の本を作る方法】まとめ
深井さんの主催する【自分の本を作る方法】は、リアル開催とオンライン開催で選べます。
定期的に開催されているので、本を書くことに少しでも興味のある方は、出版への入り口としては最高です。自信を持ってお勧めしたい。
また、本を出版するかどうかはさておき「自分が本を書くならば?」と考える時間を取ること自体が貴重な時間。自己理解につながります。
実は、私が主催しているBE-brandproject(ブラプロ)の内容とも近しいところがあったりして、やはり究極の問いは「私は何者なのか?」であり、それが全てのスタート地点なのだなと感じました。