皆さんは仕事をする際、“誰のための仕事なのか”を意識していますか?
そもそも仕事はお客様がいないと成り立ちません。とは言え、お客様に言われた通りのことをただ100%こなすだけでも相乗効果は生まれません。
仕事を長く続けていくためには、自分とお客様の両方が幸せになれる『win-winの状態』を探っていくことが大事なポイントになってくるよねぇ…ということを、実際に経験したあるハプニングを通してお話ししたいと思います。
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「仕事は誰のためのものか」を意識させられた出来事
先日、ある美容室に行きました。
まずヒアリングをしていただき、お互い方向性は確認したつもり…だったんですけどね、うまくいかなかったんですよ。
こんな仕上がりになりまして…↓
当初の予定だと、毛先を3センチほどブリーチして、そこにアプリコットカラーを入れる話だったはずが、
ブリーチはなんと耳より上まで入り、カラーは薄いパステルピンクのような色。ほぼ金髪。
オーダーとはどう考えても全く違ってたんですよね。
で、一応確認しました。「これで完成でしょうか?」と。
すると美容師さん、一瞬間があったものの「…はい。完成です」と。笑
お客様のためにも、自分のためにもなっていない仕事
あのね、仮に私のオーダーと違っていたとしても、世の中的に見ればこういう髪型もありだよねと思える素敵な髪型なら、
お互いの意思疎通が足りなかったのかなぁと解釈して、百歩譲ることもできたかもしれませんよ。
けど、そもそもこんな髪型してる人います???と聞きたくなるようなおかしな髪型。笑
土日だったこともあり店内はすごく忙しそうで、美容師さんもかなりバタバタとしていて大変だったことは確かにわかります。
でも、もし私の要望とは異なるとわかった上でこの仕上がりになってしまったというのなら、自ら「すみません!失敗しました」と素直に修正してもらいたかった。
そういった悲しさや不満でモヤモヤとしながら、それ以上に、
あなたのクリエイティビティは、本当にこれで喜んでいるのですか?
という想いのほうが大きく残りました。
デザイナーである私の仕事柄感じるところでもあるかもしれませんが、それでもこの美容師さんの仕事に対する姿勢に大きな疑問を感じたんですよね。
「100%お客様の言いなり」ではお客様の期待には応えられない
もし仮に「お客様がこう言ったので、私はその通りに作りました」という場合でも、
言いなりになればそれでいいのか?と私は思います。
「さらにより良いものにするためにどうする?」という視点は、やはり素人よりもプロだからこそ持っているものです。
素直に100%お客様の言いなりになるのではなく、「もっとこうしたらいい」という点が見えれば、お客様からお願いされたこと以上のところに連れて行ってあげることができます。
(今回は私のオーダー通りでさえもなかったけどね…)
もちろん、お客様に言われたことを忠実に再現することを第一とするスタイルの方もいるとは思います。
それでも、プロであるならば
- 自分自身も納得できる仕上がりか
- 自分のこだわりたいポイントや高いクオリティも出せているか
という点を同時に意識することも大切だと感じています。
なぜなら、お客様がプロに頼むのは、自分には見えないところを見せてくれることを期待しているからです。
プロの意見なんて1ミリも反映しないでいいから、私の言ったとおりにしてほしいという人って、案外いないんですよね。
両者のために仕事をするから得られるものがある
クリエイティブ系のお仕事に限らず、どんな仕事でも自分のやったことが実績として残り、さらにその実績をもとに次の仕事がやってきます。
そう考えると、『仕事は自分のためのものか?お客様のためのものか?』の答えはやはり
「どちらのためのものである」だと思うんです。
お客様に言われたから…と妥協した仕事が、自分自身の実績に自ら傷をつけてしまうことだってあり得ます。
より良いものにできることがわかっていながら、クオリティの低いまま完成させてしまうような状態はある意味、仕事に対して投げやりとも言えます。
仕事というのは、周りからは「その人の作品」としても見られます。
このことを常に意識しながらやっていくことが、お客様の期待に応えるだけでなく、お客様の想像をも超えたことをやっていける。
そしてその想像を超えた仕事をやることで、また次の仕事に繋がっていくと思うんです。
デザイナーに限らず、ライターでもコーチでもコンサルでもそう。
仕事は基本的にお客様のためにやっていくことであるのは当たり前ですが、「わたしの美学はこれでいいのか?」という志も合わせて持っておくと、
自分とお客様の両方が幸せになれる『win-winの状態』にもっていけるんじゃないかなと思います。