ブランドの作り方

「天才」じゃなくても常に良い仕事をし続けるための思考法

テリコ

ビジネスにおいて正解を求めたり、すごい人(天才)であろうとすると、大切なことを見失います。

大事なのは「そもそも何のために?」というのと「課題をクリアするために最低限必要なことは何か?」の2点。
ミニマムに考えることで、本質を見失うことなく目的を達成する思考法についてご紹介します。

人は目の前のことに必死になると本質を見失う

私が主催している講座に『ブランド発掘プロジェクト』略して『ブラプロ』という講座があります。

ブラプロは主に個人事業主さんを対象に、
その人の個性そのままで届く・売れる形にしていくブランディングを発掘する
ということをやっています。

この講座、実は恐ろしい数のワークがあります。
軽く50個以上はワークがあるんですが、もうとにかく実践型なので書いて書いて書いて、自分の中のものをとにかく出して言語化しまくってその人のブランドを作っていきます。

このとき、

テリコ

そもそも何のためにワークをやっているのか

が、いつの間にか抜け落ちてしまう受講生がかなりの人数います。

例えば、ワークを完成させることやワークを素晴らしいものにすること、綺麗にまとめることに注力しだしてしまう。

中にはワークに正解を求める人もいたりして
「私のビジネスの場合どこが着地点になればいいんでしょうか?」
「ワークのやり方これで合ってますか?」
といった質問をしちゃう人もいるぐらい本質を見失っている方がすごく多いです。

そもそもブランディングやブランド発掘って、「結局あなたは一体どんな人なんですか」というところを掘り下げているわけなので、あなたがどんな人なのかに正解も不正解もないんです。

注力すべきはどれだけ腹を割って「あなたがどんな人か」を引きずり出せるか。

本人すらも気づいていないような魅力の部分をどうやって引っ張り出すかといった点が肝なんです。

ですが、目的と手段がすり替わっていて、ワークをやることに必死になりすぎてしまうパターンが少なくありません。

目的を見失うと起こること。

ブラプロのワークに限らず、例えばSNSの発信にもありがちだなと思います。

「そもそも何のために」「どうして」発信をするのかという点は、ビジネスをする上でものすごく大事です。

なぜなら、この「そもそも何のため」を見失うと、先ほどのワークの場合と一緒で「綺麗に仕上げよう」「正解を求めよう」といった違うところを目指し始めてしまうからです。

でも実際は…
「すごい!」
「こんなの聞いたことない」
「めちゃくちゃ役に立つ!」
と言われるために、綺麗に仕上げなきゃ、ハッとさせなきゃ、役に立たなきゃ…と幻想や妄想の中の「みんな」から認められようとしてしまう人が多い。

これをやると発信にものすごく苦労しますし、どんどん苦戦してしまいます。

その結果、「私、発信がうまくできないんです…」といったことを、自分のビジネスの一番の悩みとして掲げてしまう。

これってすごいあるあるなんですよね。

なぜ発信するのかを考えたら、ビジネスの発信であればやはり「クライアントにどれだけ届くか」が勝負になるんですよね。
けっして自分がすごい人だと思われようとか、世界中の人をハッと驚かせるような発信をする必要はなく、目的を見失っているんじゃないかなと思います。

気付かぬうちに「天才」になろうとしていませんか?

発信をすることがメインのお仕事だったら、発信がうまくいかない場合は悩むべきだと思います。
ですが、大抵の人はなにか自分のビジネス・商品があり、それを広めたりクライアントさんに届けるために発信をしているわけです。

本来であれば発信は手段であって目的ではない。

だけどそこを見失って、みんなに認められるような天才になろうとしている人が多い。
しかもみんな自分が天才になろうとしていることには気づいていないんです。

テリコ

クライアントさんにちゃんと届きさえすれば、それはもう100点じゃないですか?

100点を取るためには、世界中の人をハッとさせるような必要は全くないんです。

いかにワークや発信を上手にやるか、いかに正解を叩きだすか=天才、ではないってことです。

別に届きさえすれば、その中身は何でもいいわけなんですよ。
そもそも本当は何のためにやってるのか、が一番大切で、発信をするために天才でいる必要はないんです。

天才じゃなくても最高評価をもらえる

ちなみに、天才じゃなくても100点を取る方法はあります。

自慢したくて話すわけじゃないんですけれども…
私は美大を出ていて、実技の授業ではオールSを取っていました。

実技の授業というのは基本的に、最初に教授から「今回はこういう素材を使ってこういうものを作ってください」といったお題が出ます。

あとは締め切りにある公表会まで、各自で自由に作業を進める感じです。
ただ、公表会では自分の作品をプレゼンテーションする時間があるので、それまでにどれだけ自分の作品とプレゼンの精度を上げて挑めるかが大事でした。

その実技の授業が年に4~5回あるのですが、結果はオールS。

オールSはABCの3段階評価のさらに上で、飛びぬけてよかった人に与えられるんです。
いわゆる良い点です。
ですが、決して私はデザイン学科の中で天才だったわけではありません。

実際、私が天才だったらデザイン学科を卒業したあと、名だたる巨匠たちと名前を並べてたかもしれない。笑

ですが、天才じゃないにもかかわらず、良い点は取り続けていた。
それは何でかというと、そもそもの目的を見失わなかったからだと思うんです。

天才ではない私が良い点を取るためにしていたこと。

大学1年生の頃に印象的な課題がありました。
「アクリル素材を使ってペーパーナイフを作ってください」というものでした。

使う量、サイズ、色、数などに制限は全くなし。
ただアクリルという素材が大量に渡されて、その中から好きな色を選んで好きなようにペーパーナイフを作る。

その課題を与えられたときに、美大生がどういう風に作品を作っていくかというと、大きく2つに分かれます。

まず一つ目は、自分が作りたいものを作るパターン。

私達が居たのはデザイン学科であってアート学科ではないんですね。
でもそのことをすっかり忘れて、自分がやりたいことや自分が好きなもの、こんなペーパーナイフあったらいいな!を追及してしまう。

もう一つが、何か世間をあっと驚かせるようなすごいものを作ろうとしてしまうパターン。

これさっきの発信の話とすごく似ています。

でも、私はその2つのどちらでもない道を選びました。

教授の意図を探り、「なぜ教授はアクリルという素材を使えと言ったのか」「なぜペーパーナイフなのか」といった点に目を向けたんです。

なので教授に直接インタビューしに行って、

テリコ

なんでアクリルを選んだんですか?
なんでペーパーナイフなんですか?

といったことを徹底的に聞き込みました。

つまりは、教授にとっての「こういう作品が出ればいいな」という思惑にフルコミットしたんです。

どういった意図で課題を出しているかさえわかれば案外簡単ですし、期待しているものがわかれば、それをちょっと超えるような作品が出せます。

考えるべきは「クライアントが何を求めているか」

私は大学1年生のときからすでに「デザイン学科であるならば将来的にデザイナーにはなりたい」と思っていました。

デザイナーはやはりクライアントからの依頼ありきなんですよね。
なので当時から「何のために・誰のために」デザインをするかを常に考えていました。

  • クライアントから何を依頼されたのか?
  • そのクライアントが何を求めてるのか?
  • そのクライアントがどんなゴールに向かいたいのか?

そのために何をするかを考える事が大切。

そもそもクライアントを完全に無視して自分の好きなものを作ったり、クライアントじゃない人たちが喜びそうなものを作ったりするのは本来ありえない話なんです。

大学の場合で言うと、このクライアントは教授なわけです。

「教授から良い点をもらえるにはどうしたらいいかを考えること=クライアントが何を求めているかを理解すること」と考えて行動していたから、良い点を取り続けることができたのかもしれません。

「そもそもの目的」がわかれば良い点は誰でも出せる

それぞれの状況においての「良い点=100点」っていうのは、いったいなんだろうということをしっかり考える。

自分のビジネスをしていくうえでも、お客様が何を求めているのかが一番大事。

  • お客様の期待にどれだけ応えられるか
  • どれだけリピーターがつくか
  • どれだけ相手に刺さるか

のためにやっている。

「何を求めているのか」っていうのをとにかく深く考えて観察して、そこにフルコミットするものを「欲しいのはこれですよね」って出せればそれでいい。

実際に私の話が「刺さる!」と言っていただける機会が多いのも、私自身が「そもそも何のために」の的をめちゃくちゃ絞っているし、「自分がターゲットとしている人がどういう発信を好むのか?」を先回りして、分かったうえで差し出しているからなんじゃないかなと思う所です。

発信もビジネスも、良い点とるために天才になろうとするのではなく、「そもそも何のために」を見失わないってことが大切なんじゃないかなと思っています。

ABOUT ME
グループ相談会120分×2回グループオンライン
クロハテリハ
ブランドエディター・グラフィックデザイナーです。 2016年にフリー転身。主に個人事業主のビジュアルを含めたブランド作りのお手伝いしてます。人の【変】な部分が大好物。普通の人なんて一人もいないし、みんな自分が変だって気付けばいいのにと思ってます。ウイスキー好きさんも大歓迎。
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後編 LINE

具体的に、個人のビジネスパーソンがブランド作りをしていくための手順を、ブランディングをした人の実例を交えながら解説していきます。