今日はリニューアルデザインの際に大切なことをお話しします!
正直、新規のデザインよりもリニューアルの方が難易度が高いんですよ!
コンセプトとか決まってそうだし、土台も固まってるのに??
今まで作り上げてきたものをできるだけ活かして作り替えるのって建築でいうところのリノベーションに似てるんだよね。
愛着も骨組みも壊さず活かす分、制限は多くなるよ!
なるほどね〜。
リニューアルには細心の注意をはらうべし
全く新しくデザインを作る時とか、
今あるデザインを全く気に入っていない時は、
思いっきりブランドや自分自身を表現できるものを
0から作ったらいいですよね。
可能性は無限大です。自由にやったらよろし。
だけど、もし今すでに何かしらのデザインが施された
ヘッダーやロゴがあったり、
いつも使ってるプロフ写真に
ちょっとした印象の強さがある場合、
リニューアルはそうやすやすとやってはダメなのです。
どう見せたいのか、
どう印象を変えたいのか、
今までの印象を踏まえた上で
そこをしっかり押さえてやらないと、
せっかく積み上げてきたものが無になりかねないです。
リニューアルの際におさえたい3つのポイント
そんなことを意識しながら
オーガニックお料理教室、
ワクワクワークさんのロゴをリニューアルしました。
もともとのデザインはこちら!
新鮮なお野菜をせっせと運ぶ
働き者の赤いトラックが可愛らしいロゴです。
で、今回このロゴのリニューアルポイントは3つ。
- ターゲットに即したイメージに一新すること
- もともとのイメージをそのまま引き継ぐこと
- ワクワクワークさんの気持ちを大事にすること
まず1と2を見た時点で矛盾してない??
って思ってしまいそうですけど、
この二つは両立できます。
より狙ったターゲット層が好む様に一新しつつも、
もともとのイメージを壊さないようにすればいいんです。
旧ロゴの持つ印象とお客様の印象を比べてみる
もともとのこのロゴね、
可愛らしいんですよ。
けど、みる人にどんな印象を与えるかと言うと、
元気・健康・ポップ・わかりやすい・かっちり
オーガニック・新鮮な野菜・前進・働き者…
などなど、
いろんな印象を与えています。
全体的に勢いがありますね。
真っ直ぐな感じがあります。
この印象自体は別になにも悪いことはないです。
(ちなみにワクワクワークの運営人の方々は
このイメージぴったりです。笑)
では、ワクワクワークさんにお料理を習いにくる
ターゲットはどんな人かと言うと、
- 30代〜50代の武蔵小杉近辺に住むお母さん層。
- お子さんがまだ小さくて、子連れでレッスンを受けられることに魅力を感じている。
- ただ美味しい料理が作れれば良いわけじゃなく、素材や栄養のことを学びたい。
こんな人たち。
キーワードにしてみると、
康・子育て・優しい・オーガニック・
家族・栄養・美味しい・学習欲・ナチュラル…
こんな感じかな?
元々のロゴから感じる印象と並べてみましょう。
元気・健康・ポップ・わかりやすい・かっちり
オーガニック・新鮮な野菜・前進・働き者…
どうですかね?
前のロゴは、ちょっと強めかな?って感じませんか?
印象のギャップは細部で操る
そんなわけで、この二つのキーワード郡の、
ターゲットに即した部分を残しつつ、
ズレてるとこは和らげます。
そのまま残すのは
健康・オーガニック・新鮮な野菜あたりかな。
新たに加えたいのが
優しい・美味しい・ナチュラルあたり。
そんなこんなで出来上がったのがこちら!
どうでしょう?
元々の良いところを残しつつ、
女性的な柔らかさやナチュラルさをプラス
泥付きのお野菜たちで鮮度もアップ↑
あれ?思ったより変化してない?
って思った人いるかな??
そこがね〜!今回の1番のポイントです!
ブランドロゴの持つ役割を考える
実はこのロゴリニューアルをするにあたり、
私が最も大事にしたかったのが、3つめの
【3. ワクワクワークさんの気持ち】
ロゴってね、
お客様も見るものかもしれないけれど、
誰が一番見る?って、
使っている自分たちが一番目にするんですよ。間違いなく!
ワクワクワークさんは、
今の代表、菅野のなさんのお母様が始めたお料理教室。
しっかりとした土台と歴史があるんです。
だから、今までのロゴは長〜いこと働いて、
ワクワクワークで働く人たちの気持ちを
一つにまとめる役割をになってきたのね。
(大袈裟じゃないです!ブランドにはそういう力があります!)
だからこそ、
初めてみた人には新しく、
今まで馴染んできた人からは懐かしく、暖かく、
そう感じられないと意味がないんです。
リニューアルはガラッと変えない
ちなみに…パッケージデザインとかは
めっちゃリニューアルに気を使います。
例えば皆さんご存知ブルガリアヨーグルトは、
少しづつリニューアルを重ね続けて、
時代に取り残されず
かつ
常に一定の印象をみる人に与え続けてるんですよ。
だって、ある日売り場に行って
ブルガリアヨーグルトがピンクになってたら、
誰も見つけられなくなるでしょ?笑
それくらい、
リニューアルは慎重に、
しっかりとした意図を持って、
それがわかるデザイナーに頼みましょう。
ガラッと変えてしまうとしたら、
それはリニューアルではなく
リブランディングです。
意図的に根底からひっくり返したいとき以外は、
細かなディテールに気を使いたいものですね。
番外編:ロゴデザインのお作法
最後に、ロゴデザインそのものについて
私の見解をちろっと語りたいと思います。
一般的に、ロゴデザインは
こんなセオリーがあります。
- 視認性が高い
- 記憶しやすい
- シンプル
このセオリーからいくと、
今回のロゴリニューアルはイレギュラーな
ロゴだと言えると思います。
ただですね、
今までのこのセオリーって、
何度も目にしたり、色んなところに
使っていく前提で作られるロゴなんですよね。
例えばCMや広告に必ず入れるとか、
グッズを作る際にどんな印刷にも対応できるよう
シンプルにするとか。
つまり、企業向けのセオリーだよなと思うわけです。
だけど時代は令和ぞ!
個人事業主がどんどん世に発信してく時代です。
そして一般の人が小規模な事業を目にする多くの機会は、
Webであったり、お店の看板であったり、
場所が限られるんですよね。
だとすると、大企業のようなシンプルなロゴが
果たして効果的であろうか?というところです。
時代の変化や使うシーン、
そのクライアントさんの状況まで踏まえて、
型にはまらず柔軟に最適なものを提案していきたいなと思うんですよね。
型を崩せるのは、型を知ってるからだよね?
もちろん!
やっぱり基本のセオリーを踏まえられるスキルを養った上での型の崩し方だね。
知らずに自由にやったらそれはただの型破りだから…。笑
では最後にもう一回。新旧並べてみる。
旧ロゴちゃんお疲れ様!
新ロゴちゃん、
旧ロゴちゃんの土台に感謝して進むのだぞ!