ブランディングの仕事をしていると、
起業初期の方々とお話しする機会が多くあります。
その方々がよく口にするのが、
「自信がない」「自信がなくてなかなか行動できない」
という言葉。
今日はそれにまつわるお話し。
自信がないとはどういう状態のこと?
まず、自信ってなんだろね。と調べてみました。
自信とは、自己効力感のことである。
自己効力感とは、ある状況下で結果を出すために適切な行動を選択し、
かつ遂行するための能力を、自らが持っているかどうかを認知するための言葉のこと。
ちょっと難しいので簡単な言葉に直してみると、
自己効力感とは、目の前にある問題や課題などやらなければならない仕事に対して、
自分にできるかできないかを適切に判断できる能力ということ。
なので、自己効力感が低い人は、それが自分にできるかどうか分からない。
その判断が難しかったり、あれもこれもできなんじゃないか、という錯覚に陥ってしまって、
結果として、自信がないというところに繋がるんじゃないかなと思うんです。
自分の自己効力感について考えてみる。
で、私はどうだろうと考えたら、
自己効力感が結構高い方なんじゃないかという気がするんですよね。
ただし「ある状況下で結果を出すために」という条件が付いた仕事に対しての自己効力感です。
何でもかんでも自信家であるという話ではなくて、
自分の仕事においては、できるんじゃないかと思えるという意味で、
仕事の面での自己効力感は結構高いということ。
つまりはそれが、「自信がある」ということに繋がるのかなと思うんですよね。
自己効力感が高いかどうかの見極めポイントはココ。
考え方のポイントとしては、
自分ができる仕事なのかどうか適切に判断する能力が自己効力感なので、
決して自分の能力が高いと思っている訳ではないというところ。
「私、すごい才能があるからなんでも出来ます!」
とか、
「私、すごい仕事ができるんで!」
みたいなことではなくて、
デザインやブランディングに関する仕事がきた時に関しては、
私だったらできるのではないかと自分で判断しているという感じです。
じゃあ、別に自分がすごい能力が高いと思っている訳でもないのに、
その仕事(デザインやブランディング)はできるという判断がなぜできるのかというと、
そこはシンプルに「経験」だなと思うんですよね。
「自信がある=不安がない」ではない。
デザインの仕事がきた時に、
何にも不安がないのかというと全然そんなことはありません。
なんならデザインの仕事に関しては、仕事がくるたびにちょっと嫌な気持ちになる。笑
すごいプレッシャーを感じるんですよね。
「うわっ、仕事きた。」
「またあのプレッシャーに潰されそうになる毎日がくる。」
みたいな感じで、ちょっと憂鬱な気持ちになるくらい。
そんなに自信満々でデザインの仕事を受けてないんですよ。
なんですけど、
「それでも大丈夫、できる」と思えるのは、
デザイナーを16〜17年くらいやってきて、
今まで「できなかった」という結論で終わったことが基本的にないから。
もちろん会社員だった新卒の時は上手にできなくて、
他の先輩に仕事を引き取ってもらった経験もあります。
それでも、私ができないがために何かすごい大変な問題が起きたとか、
求められているものに全く答えられなくて納品が出来なかったとか、
そういった経験は今のところないんですよね。
修正がものすごい回数になったりとか、
全然言っていることが分かってないとすごい怒られたりとか、
そういうことは今までもありますけど、なんとかかんとか頑張って、
最終的な結果を見るとなんとか納品しているっていうのが現実なんですよね。
自己効力感を高めるために必要なことは「経験」
そう考えると、
例えば「家具のデザインをしてください。」と言われたら、
ちょっとこれはできるかどうか判断がつかないので、
自己効力がそこには及ばないと思います。
だから、
「自信=自己効力感」
「自己効力感=今までの経験で身についている」
自信は、つまりは今までの経験なんだなと、私の場合は思います。
そうなってくると、
新人のうちの「自信がありません」は当たり前のことであって、
「自信がないから動けません、自信がないから思い切って金額がつけられません」
と言ってると、ずっとそのまま自信がないまま。
それでは自己効力感は育たないので、
やっぱり自信をつけるにはとにかく行動して、
小さく自分はできたっていう成功体験を積み重ねる以外にないんじゃないかなと。
私にもある自己効力感の低いところ。
以前、12月23日と24日に相模原のメイプルホールで行われたクリスマスジャズライブの企画で、アートワークとプロモーションを担当したんです。
そのライブに向けて、12月1日から24日まで、オンラインアドベントカレンダーという形で毎日何かしらのコンテンツを公開していきました。
アドベントカレンダーを思いついた瞬間は、
絶対に楽しいに違いない!と盛り上がったんですが、
少し冷静になると、1日〜24日まで連続でコンテンツを提供し続けるなんて…
大丈夫か?と。
何を隠そう、実は私、コンスタントに休まずやるみたいなことが結構苦手。
行動力はあるので作り上げるプロダクトの数は多い方だと思うんですけど、
毎日一個づつ、ちょっとずつやるってことがものすごく苦手なんですよ。
だからアドベントカレンダーやろうと思ったけど、
24日間も連続で自分が毎日何かをアップし続けることに自信がない。
つまり「継続する」ということに対しての自己効力感が低いんです。
自信を持って仕事がしたい人へ。
結果、アドベントカレンダーはどうなったかというと、
24日間無事に完走しました!
そう、やり続けてきたの!自分を褒めたい!って感じです。笑
そして、24日間連続でプロモーションをやりきってみて、
気持ち的にはどうだったかというと、
やってる途中にどんどん自己効力感が増していってるなって感覚があったんですよね。
例えばこれがたった1週間を連続でやりますとかだったら、
大した自己効力感は生まれなかっただろうなと思います。
小さいことから始めて、
常にちょっと自分がヒリヒリするような、
本当にできるのかなというようなチャレンジを繰り返していくから
こうやって自己効力感が高まるんだと思います。
今回、24日間も連続で、ある程度まとまった数を作成して、
(結構根性がいるんですよこれが。)
やるのは大変なんですけど、でもやってよかったなと思いました。
自信がないから行動できないと言ってしまう人、仕事に対してなかなか自信を持って仕事ができない人に関しては、
- 小さいチャレンジをすること
- 二つ目は、チャレンジの幅をどんどん広げていくこと
どんどんどんどんヒリヒリするようなことをやっていくこと、
しかも数を積み重ねていくこともすごくアナログな手法であるけど、
とても大事なのかなと思いましたって話でした。