肩書き通りの仕事しかしない個人事業主なんていない。
私が主宰しているブランド発掘プロジェクト(ブラプロ)でも
度々話題になることがありまして、それは、
「肩書きとか職業名に惑わされるな・縛られるな・逃げるな」って話。
例えば私は一応肩書きとして
ブランディングデザイナーを名乗ってるんですが、
実際にやっていることはというと
デザインよりもブランド発掘に費やしている時間が多いし、
ブランド発掘よりもライティングしている時間が楽しいし、
最近よく言われるのは、
「やってる内容はプロモーションの人だよね」ということ。
多分これってみんな同じで、分業で仕事をしていく会社と違って
個人事業主は自分が使える能力全てを使って活動していると思うんですよね。
で、それが個人事業主の難しさであり、
面白さでもある。
肩書きは便利だけど堅苦しい。
だけど例えば「コーチ」という肩書きを名乗ると、
当然ながら周囲からもコーチとして扱われるわけで、
さらには周りからコーチとして扱われるだけではなくて
自分でも「コーチらしくあらねば…」みたいになってくると、
せっかく自由なはずの個人事業が、
急に狭い箱の中にスポッと入ったような状態に。
なんなら箱に入ってしまったことで、
本来の力をセーブして仕事をする…みたいな、
よくわからない状態になる人も。
これが
「わかりやすい職業名や肩書きに惑わされるな。」
の状態ね。
だからこの流れで、
「わかりやすい職業名や肩書きに縛られるな。」
という話になるんですが、
縛られない
=見ている人に一瞬で伝わる共通言語を捨てる
ってことになるので、多くの人が戸惑い、
また箱の中に戻りたがります。
これが、
「わかりやすい職業名や肩書きに逃げるな。」って話。
大事なことを丁寧に伝えて行く覚悟。
肩書きとかにスポッとはまるのって、
気持ち的にはめちゃくちゃ楽なんですよ。
自分が何をしていて、何を伝えたくて、誰に届けたいのか?
とかって言語化するのが大変なことを説明しなくても、
なんとなーくでお客さんが寄ってくるから。
だけど、肩書きにはまっていたら、
もれなく埋もれるんですよ。
「コーチです」って
世界にどんだけいるとおもってるの?って話でさ。
かといって「恋愛コーチです」って言えば
分母が減るだろうと安易に狭めただけでは
ブランディング的に全然足りない。
じゃあどうすればいいかというと、
肩書きや職業名はただの記号。
そこに甘んじたりハマりに行ったりするんじゃなくて、
自分は何を得意としているのか?
どんな価値観を持っているのか?
どんな状態の誰に届けたいのか?
届けるものはなんなのか?
そういうのを、
一つ一つ丁寧に言語化して、
地味〜に、地道に、
「時間をかけて伝えていく」と
覚悟を決めて進むしかないわけです。
インスタントに惑わされないで進める人は強い。
とか、こんな文章では伝えきれないほどに、
その重圧たるやすごいと思うんですよね。
だから、ブラプロを通して、
今まで誰もやってこなかったことを、
遠回りでも伝えていこうと覚悟を決めた人を見ると、
本当に素晴らしい志だなと感動するんです。
そこには、安易に稼げればいいわけじゃない。
という、その人の生き様が見て取れます。
そういう人と出会えると、
本当ブラプロの価値観も
丁寧に伝えてきてよかったなぁと。
その日の晩酌が最高になるんですよね。