5年間大事に育ててきた「ブラプロ」
私が提供しているサービスのひとつに、BE-brand project(通称ブラプロ)がある。
主に個人事業主を対象にした講座で、今年で5年目。
ある程度高額にもかかわらず、これまでに10期・のべ50名以上が受講してくれた。ありがたいことだ。

ブラプロは、その名の通り「BE=在り方」をベースにブランドを構築していく講座。
ビジネスとプライベートの境目が曖昧な個人事業主だからこそ、自己一致度の高い事業づくりが必要だと考えている。
人生や個性、価値観を丁寧に棚卸しし、それをブランドにどう反映するか。
ブランディングの手法を体系的に伝えながら、一緒に考えていく。
この講座は私自身もとても気に入っているし、クライアントの満足度も高い。
終了後も9割以上の方が継続して関わってくれている。
なんだけど…なんだけども、私にはずっと引っかかっていることがあった。
私の元には初心者さんが集まりがちな謎。
なぜか私のSNSのフォロワーさんには、「起業初期」や、手に職はあっても個人事業主としてはまだスタートしたばかりの方が多い。
けれど、まだ職業や生き方がぼんやりしている状態では、不確定要素が多すぎて、うまくブランディングできないことも少なくない。
つまり、ブラプロは初心者向けに作った講座ではないため、相談に来ていただいても「早すぎるかも」という理由でお断りすることもある。
なのに、なぜ初心者さんが集まりがちなのか?
答えは簡単。私の発信が、初心者さんにも分かるように、刺さるようにしてしまっているから。
それなのに、いざ何かを依頼したいと思っても、買える商品がないなんて…。
「それってさぁ、すごく不親切なんじゃないの?」
「でも私はブランディングとデザインの専門家であって、独立起業の先生じゃないし……。必要になったら、来てくれたらいいのでは?」
そんな脳内会話を繰り返しては、一旦保留。見て見ぬふりをしてきた。
じゃあなんで、初心者さん向けに発信しちゃうのよ?
「見て見ぬ振りするなら、なんで初心者さん向けに発信するのよ?」
これは、ツッコミ激しいもう一人の私からも、壁打ち相手からもたびたび投げかけられる問いだ。
その答えは…正直、自分でもよくわからない。
でも思い出すのは、町の小さな洋食屋を営んでいた父の姿。
職人気質な人で、毎日同じ時間に店を開け、30年間同じメニューを作り続けていた。
店はそこそこ続いたけれど、決して儲かってはいなかった。
職人としての腕は確かでも、ビジネスマンとしてはずっと初心者のまま。
努力しても身体を酷使しても、楽になる日は最後まで来なかった。
その原因を私が認識できたのは、自分が独立してから。
商売には正しいコツが必要で、それを知らなければ、何年続けても苦しいままだということに、ようやく気づいた。
「あ〜これ、父が現役の時に知りたかったし、教えてあげたかった!」そんな後悔に似た気持ちが、私の中にはずっとある。
だから、間違った方向に努力している初心者さんや、初心者を狙った悪質なサービスを見ると、どうしても放っておけなくなる。
つい、おせっかい心がうずいて、発信してしまうのだ。
重い腰を上げるための大義名分
そんなこんなで、やるの?やらないの?を繰り返すこと数年。
いいかげん、やるか。と思う要素が揃ってきた。
要素1:ブラプロへの架け橋は自分で作れ
スキル的にも金銭的にも、今すぐブラプロに来られない人がいるのはわかってる。
ならば、その人たちが辿り着けるように、架け橋を他人任せにせず自分で作りなさいよ〜と、もう一人の私がずっと言っている。そろそろ動こうか。
要素2:仕事って…そうじゃねぇんだよな
SNSを見ていると、発信=起業みたいな空気があるけど、違うでしょ、と言いたくなる。
商売の基本は昔から変わらないのに、そこを知らずにテクニックだけでなんとかしようとしてる人、多すぎない?というのが気になる。もったいないのだ。
要素3:猫も杓子もブランディングバブル
まぁ〜ここ1〜2年のブランディングバブルは特にすごい。
ほんの数年前までは「ブランディングってなんですか?」という人がほとんどだったのに、今や誰も彼もがブランドブランド!五月蝿いほど。
流行は必ず廃れるから、「そういえばそんな言葉、流行ったね」と言われるのは時間の問題。
「ブランディングの人」と思われることが危険な可能性すらあるため、もっと本質的な存在感を今のうちに作っておきたい。
要素4:美しいライスワークを構築したい
「美しいライスワーク」とは、天才研究家の山田研太さん(通称やまけんさん)が提唱している、本当に好きなこと(ライフワーク)を仕事にするために必要なライスワークの考え方。
この投稿では「できるだけ少ない時間、少ないストレスで稼ぐ方法」と短い解説がされており、これだけだとビジネスライクでちょっと冷たい感じもするけれど、「美しい」とついている通りもっと奥が深い。
(これについてはまた別のタイミングで私の解釈を加えてお伝えしたい)
多分このプロセスは誰かの役にたつ
というわけで、今はまだブラプロに届かない人たちに向けた何かを、ぼんやりと考えはじめているところ。
……とはいえ、実際に動き出してみたら「いやこれ、私の仕事じゃないな」って引き返す可能性もなくはない。
「起業初期」って括りも好きじゃない。
それって一体どこからどこまでなの話なのよ?という問いからスタートして、その曖昧さをほどきながら、ゼロから商品が形になるまでを、ブログで少しずつ記録してみるつもり。
きっとその試行錯誤のプロセス自体が、誰かのヒントになるかもしれないから。
ゆるやかに、でも確かに、はじめてみようと思う。
