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今でこそBE-brand project(ブラプロ)という
ブランディングの長期講座を10期に渡り開講しているけれど、
起業家じゃあるまいし、私にそんな大きな額の講座を
開講する力なんてないないない！と当時は思っていて、
だから人生初の起業塾で
「ある程度高額の商品を設定しましょう」となった時は、
正直なところ、
まさか実現するわけあるまいて…程度で、
でも無視するわけにもいかなし、形式的に考え始めた。
例えば、デザインをいくつかまとめてパック売りするとか？
いや…名刺が欲しい人もいればLPが欲しい人もいて、
それを無理やりパックにしたところで誰得なのか。
もしくは、デザイン初学者さん向けにデザイン講座をやるとか？
うーん…デザイン初学者さんに教えようにも、
私自身が現場で叩き上げられたタイプ。
人は自分が育てられたようにしか人を育てられない。
できることと言ったら、
ビシバシ添削する！くらいしか道がない。
そんな修行みたいなことを高額にしたとて誰が欲しいさ？
正直、どれもピンとこない。
「私ができること」ではなくて
「みんなが困ってること」だったらどうだろう？
独立してからの４年間、なんとなく仕事は途切れず来ていて、
そのお客さんの大半が「起業初期」と言われる人たちだった。
その人たちに言われた通りデザインを作ってあげるものの、
数ヶ月するとその人自身が活動に迷って辞めてしまったり、
全然違う職業になっていたりすることが多々あった。
その度に作ったデザインはお蔵入りして、
なんとも切なく勿体無いことか…と感じていた。
また、そんな感じにブレている
ビジネスオーナーへのヒアリングは容易ではなく、
「誰に何をどう売りたくて、
そのためにこのデザインをどう使いたいんですか？」
この質問にすらみんな答えられない。
デザインというのはですね、こんな効果があって、
ただ見た目をカッコ良くするためのものじゃないんですよ。
だから誰にどう見せたいのかによりやることが変わって…などなど、
講座よろしくヒアリング時間はどんどん長くなっていた。
正直、やってらんない。
私の仕事はデザインであり、お客さんを教育することじゃない。
ヒアリングの時間を30分取ろうと3時間取ろうと
デザイン費は変わらないし、やればやるだけ赤字になる。
そんな気持ちもあった。けど、よくよく考えたら、
その話を聞いてくれるお客さんはみんな困っていた。
どうしていいかわからなくて困っていたからこそ、
私が延々語るデザイン論に耳を傾けてくれて、
私が散々質問することに、丁寧に答えてくれていた。
むしろ、それをむしろ喜んでくれていた。
ならばこちらも、その手間暇に文句を垂れるのではなくて、
きちんとお代をいただいて、
「仕事」として教育もヒアリングも請け負えばいいんじゃないか？
これが、今のブラプロの種だった。
もうすでにやっていて(渋々だったけど)
お客さんからも求められているとわかっていたこと。
そして、ちゃんと向き合うことができたなら、
せっかく作ったデザインが
ビジネスオーナーの心変わりで
次々と捨てられてしまうこともなくなるはず。
捨てずに育てられるオーナーが増えれば、
きっと彼らの事業も育っていく。
これを事業化できたなら、
全てがwin-winにならないだろうか？
この時、同じテーブルにいたatsukoさんに構想を話した。
よくこういう現象があって、お客さんは困ってて、
私も困ってて、全てを解決できるかもしれない！と。
atsukoさんはいつも通り
「面白いね！」「それすごいね！」と聞いてくれた。
私に高額商品なんて…できるわけない。
そんな重い責任抱えられないし、
しがないフリーランスだもの。無理無理。
誰でも最初は私と同じような感じなのかもしれない。
最初から初めてのことに自信満々の人なんていない。
けどその時に、
自分が語る未来を面白いと思ってくれる人がいるかどうか、
興味を持って聞いてくれる人がいるかどうか、
それが大きな勇気になるのかもしれない。
ちなみにこの時、
自分が構想していることが
ブランディングに繋がるんだということすら、
当時の私は気づいていない。
アイディアの種というのは、
最初はそれくらい輪郭があやふやなものなんだと思う。
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